
ya
@soso_10
2025年6月26日

J・J・J三姉弟の世にも平凡な超能力
チョン・セラン,
古川綾子
読み終わった
大好きなチョン・セラン先生の中編小説。
すごく仲良しとは言えない絶妙な距離感の三姉弟が、使い道の分からない絶妙にささやかな超能力を手に入れて、これを使って人を救いなさいという使命を受ける話。
超能力と聞くとすごく壮大な物語なのかなと想像してしまうが、この小説はひたすら淡々と三姉弟の日常が語られている。その中での超能力の登場はほんのささいな物で、どちらかというと超能力をきっかけに生まれる優しさにフォーカスを当てた物語のように感じた。
200ページにも満たない、驚愕する結末があるわけでもないサクッと読める中編小説だが、チョン・セラン先生の文章には、ひとつひとつに大切な、それでいて日々の忙しい生活で忘れてしまいそうな優しさが込められていて、その温度感がやっぱりとても好きだった。