
miran
@miran
2025年6月29日

ふくわらい
西加奈子
読み終わった
かつて読んだ
大学生の頃、バイト先に、とても仲の良い同期がいた。私は彼女が大好きだった。そして、憎んでいた。それはとても些細なことだ。彼女は、一緒にあてとても心地よい、的を得たツッコミが心地よい。彼女は自分の話をしない人だった。特に、現在の恋事情について一切話さなかった。こんなにも毎日一緒にいるのに、なんで、話してくれないんだろう。私は彼女を妬み恨みさえした。心底大好きだった。今、私と話している、そのあなたが私にとって、あなたの全てで。あなたが生まれてこれまで経験した蓄積された上澄みに、今、私と、会話しているあなたがいる。だから、私の目の前にいるあなたは、あなたのすべてなのだ。これは奇跡だ。