JUMPEI AMANO "生き物の死なせ方" 2025年6月29日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年6月29日
生き物の死なせ方
第6章読み終わる。なぜ「生」や「いのち」でなく、「死」や「死体」に力点を置くのか。なぜ「種」ではなく、〈特定の個人の前で特定の個体が死ぬ場面〉(233頁)を捉えることにこだわるのか。 マルチピーシーズ民族誌や動物倫理の視点と重なるところ・重ならないところを押さえていくくだりはもちろんのこと、批判的ポストヒューマニズム(225頁によれば〈死を中心に人間と他の生き物の関係を考えようとする思潮〉のこと)の代表的論者、ロージ・ブライドッティとダナ・ハラウェイの議論、特に前者が展開した議論に加えられる批判的検討が面白い。 〈問題は、死の混ぜ物から生まれた私たちがどのような死と混ざり合いたいのか、そしてどのような死をもって混ぜ物へと還りたいかということなのである。〉(237頁) 最終節で提示される〈死体社会学的(necrosociological)〉な発想(239頁)も、まだ完全には理解しきれていないけど惹かれるものがある。〈共生や共存に思考を進める前にたちどまって、死を見据えたい〉(240頁)という著者の宣言に、少なからず共感(共振)を覚えた自分がいる。
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