roiban "栞と嘘の季節" 2025年6月29日

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2025年6月29日
栞と嘘の季節
栞と嘘の季節
米澤穂信
前作と同じ気分で読むと第一章で謎が残りアレとなる。長編だった。トリカブトの押し花の入った栞が返却本に挟まっていることを語り手の堀川が気付き…というのが起点。「事件」の関係者はもちろん、相棒の図書委員である松倉も、何やらその栞に因縁がありそうで合流する同級生の瀬野も、それぞれの事情や思惑で流れるように嘘をつき、真実になかなか近付けない、というのはタイトルの「嘘」にも現れている。前作だと幾分気取った会話劇が出来事の苦々しさから距離を置く術としていい具合に作用していたが、本作は騒動の深刻さに勝ちすぎてしまっていたように感じた。
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