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@bunkobonsuki
2025年6月30日

ロリータ
ウラジーミル・ナボコフ
現代でも使われている「ロリータコンプレックス」という造語が作られたのは、この大作がきっかけだった——2025年版新潮文庫プレミアムカバーの一冊を飾る本作は、500ページ以上に渡って濃密な情景描写とヒロイン「ロリータ」の記述が展開される。
興味深いのは、いわゆるロリコンの被害者とされる少女——無垢で、あどけない、非力な子どもとロリータの人物像が正反対なことだ。ロリータはとてもませていて、会話だけ聞くと高校生かと思ってしまう。
ロリータコンプレックスの語源を知る上で、また現代のロリコンという言葉を再考する上で、刊行当初より読む意義を増している。
本書にフォーカスした新潮文庫、ありがとう!
