碧の書架 "1945 最後の秘密" 2025年8月27日

碧の書架
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@Vimy
2025年8月27日
1945 最後の秘密
6月に「読みたい」で投稿したこの本。読了したので編集して再掲。7つのルポが収録されており、真珠湾、ミッドウェイ、満州という私も見聞きした事がある話と、八丈島、新潟、マダガスカル、宝塚(歌劇団の卒業生)の、ほぼ初めて知る話でした。「五色の虹」が良かったのでこの本も読みたいと思ったのですが、続きという訳ではないのでこの本だけ読んでも大丈夫です。 どの章も、心に迫ってきます。後悔や悲しみ、虚しさ、のように私は感じましたが、この表現で合っているのか分からないです。ノンフィクションの力はすごい。 おそらく、多くの人が感じるものがあるのは、5章東光丸の悲劇でしょう。八丈島の話で、私はこれを読むまでこんなに巨大な洞窟陣地がある事を知らなかったし、疎開船が魚雷で沈められた事も護衛艦がどのような物なのかも知りませんでした。疎開船と護衛艦、双方から見た当日の話は圧巻です。読んでいて苦しくなります。 私は一旦ここで休憩を挟みました、うるうる来てしまって読めず。こういう時は、短編で少しずつ読めるの所がよかったです。 他の章の内容も少し書きますね。 4章101歳からの手紙は満州の建国大学の卒業生が明かした話で、タイトルの「最後の秘密」に最も相応しいミッションが語られています。戦争という状況を考えれば適切な表現ではありませんが、秘密任務の部分には謎解きのようなわくわくがありました。え…ここであの人に繋がるの…か?って思いました。 7章原爆疎開は、原爆を落とされなかったからこそほとんど記録されず忘れられた新潟の話です。起こるかもしれない事に対して大規模な避難を行うという判断をした点がすごい。今の世ではこういう指示は難しいかもしれないですね。 6章園井恵子の青春は、身近な地名が登場するので私はとても興味深く読みました。都会に出るって大変だったんだな、とか、日常の様子を知る事ができてよかったです。
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