
夜
@butiloveu
2025年7月27日

新釈 走れメロス 他四篇(1)
森見登美彦
買った
読み終わった
走れメロスをはじめとした名作を「京都の腐れ大学生」を主人公に据えてリブートした短編集。
大幅に変えられているからこそ原作のどこを残しているかが浮き彫りになっていて、それでいて面白い。走れメロスの痛快さにはお見事…!と拍手したくなった。
山月記、桜の森の満開の下は二人の文学青年が主人公になっている。文章を書くときの昂揚と、これしかないのだという切実さと、譲れない意地のようなものと…それらが私には切なくて、コメディ調のはずが胸が痛くなった。私もいつか、虎か天狗になってしまうのかもしれない。