新釈 走れメロス 他四篇(1)

24件の記録
- 夜@butiloveu2025年7月27日買った読み終わった走れメロスをはじめとした名作を「京都の腐れ大学生」を主人公に据えてリブートした短編集。 大幅に変えられているからこそ原作のどこを残しているかが浮き彫りになっていて、それでいて面白い。走れメロスの痛快さにはお見事…!と拍手したくなった。 山月記、桜の森の満開の下は二人の文学青年が主人公になっている。文章を書くときの昂揚と、これしかないのだという切実さと、譲れない意地のようなものと…それらが私には切なくて、コメディ調のはずが胸が痛くなった。私もいつか、虎か天狗になってしまうのかもしれない。
- Malt@Malt2025年6月24日読み終わった走れメロスがお気に入り。知らないオリジナルもいくつかあったのでちゃんと読んでみる。 森見登美彦作品のせいで鴨川デルタに存在しない青春の記憶がたくさんある。
- あおい@booklover_aoi2025年5月4日読み終わったKindle Unlimited@ 自宅2025.5.4読了。 とても久しぶりの森見登美彦さん。 初期の作品しか読んでいなかったので、今回もそんな感じかなと勝手に思っていたら、森見登美彦ワールドにプラスしてダークな雰囲気もあって、さらに独特の世界観になっていました。 『藪の中』は、共学大学サークルにありそうな恋愛絡みで、各々の独白が絡み合って、結果として見える事象になっているのが再構築されて最後には読者には見え方が変わるのがよかったです。 京都は個人的に好きで何度か行ったことがあって多少土地勘があるので、風景を思い浮かべながら読めたのもよかったのかも。 それにしても、名作は名作と言われるだけあって、ベースは活かしつつ違う舞台設定にしてもきちんと面白くできるのがすごいです。 もちろん作者の力量も必要ですが。 このテーマを手掛けようとしたこと、そして全てを自分の作品として書き上げた森見登美彦さんは作家としてすごいなと思いました。