"族長の秋" 2025年7月1日

帆
@_honnomemo
2025年7月1日
族長の秋
族長の秋
ガブリエル・ガルシア=マルケス,
鼓直
少しずつ終わりが見えてきた。ものすごく非道なことをしている独裁者なのに、情緒がまるで子供のようで、苦しい。元々は善政を行なっていたようだし、この大統領は権力さえなければ、意外と普通の一生を送れたのかもしれない。 権力者、というとさぞ満たされた生活を送っているのだろうと一般市民である私たちは思ってしまいがちだけれど、この作品で大統領を苦しめる空虚さや孤独みたいなものが、実際的なところなんだろうと思ってしまうな。貴い身分の者は、得られる権力や富と引き換えに、平民が決して払うことのない犠牲を一身に引き受けているのだと思う。どちらが上か下かという問題ではなく、ただ役割の問題だと、そういうふうに感じる。考えさせられる
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