
渡辺洋介
@yskw0514
2025年7月2日

日本人拉致
蓮池薫
読み終わった
理不尽な状況においていかに生き抜くか
本書はそんなヒントを与えてくれる。
なんてことはない普段通りの生活の中、拉致により無理やり北朝鮮に連れてこられ
その後24年間の長きにわたり自由を奪われた状態での生活を余儀なくされる
国家的な大義があればまだあきらめもつくだろう。
しかし著者によると実情は以下の通りだったというから全くやりきれない。
「拉致行為そのものはもちろん、拉致の目的、目的達成のためのプロセス、目的が適わなくなったときの対応のすべてが計画性のないものだった。」はじめに
権威主義体制の独裁者による思いつきの国家暴力に一個人としては
なすすべもなく敗れてしまう。
そうはならないために過去を学び、隠された悪の兆候を注意深くつまみ、
声を上げることそれは多くの犠牲となった先人たちに対するせめてもの供養になると自分は思う。
「私たちの二十四年が、「帰りましょう」と言われて、「はい、帰ります」と言えるほど、
単純ものではないことをどうして理解してくれないのかという思いだった。」P191
生きることの重さが突き刺さる一文だった。

