
海老塩
@ebi_salt
2025年7月3日

国宝 上 青春篇
吉田修一
読み終わった
心に残る一節
読書日記
映画を観に行った後、何かすごいものを見てしまった、魂を持っていかれてしまったという様な深い余韻と共にしばらく立ち尽くしてしまった...。3時間、あの濃い狂気の様なものに焼かれて、放心状態にならない方が難しいのではと思ったくらいだ。
その足で買いに行った国宝の原作。
上下巻、一気に読み終えてしまった。
語り口調で進む物語。不思議と読みやすく、この世界にするりするりと入り込まされる。
映画を観た後だったので、映像化されている部分はもちろん、映像化されていない部分まで登場人物や舞台が鮮明に想像でき、贅沢な読書体験になった。
映画ではあまり分からなかった喜久雄達を支える人々の細やかな描写が良かった。
映画と原作ではラストの描かれ方が異なり、それを楽しめたのも貴重な体験になった。
喜久雄の言う「はい」という言葉に、あんなにも鳥肌が立つシーンがあるなんて思ってなかった。映画ではあまり登場しない徳次が原作には沢山描かれていて、喜久雄に徳次のような存在が居て良かったと心から思った。
映画に徳次が原作の様に出てきていたら、喜久雄はもっと違う描かれ方になっていたのかもしれない。そう思うくらいに、原作では徳次の存在が大きい。




