
りおかんぽす
@riocampos
2025年7月3日

去年、本能寺で
円城塔
読んでる
第2章「タムラマロ・ザ・ブラック」
坂上田村麻呂と阿弖流為をガリア戦記におけるカエサルとウェルキンゲトリクスになぞらえた話…かと思いきやわりと違う。
ネタバレになるのですが、タイトル裏頁にあるシェークスピアのオセロの一文
"And I, God bless the mark, his Moorship's ancient."
から気付くべきで、黒人の坂上田村麻呂はムーア人(黒人として扱われることもある)の将軍であるオセロになぞらえている。オセロの部下のキャシオー、イアーゴーも出てくる。なおシェークスピアはほぼ知らないので、一読後に登場人物を調べました。
で。私は枚方市に住んでおります。文中に
「現在、枚方市にはアテルイの首塚を称する石碑が存在するが、これは史的な根拠を欠いた有り合わせであり、そのことは枚方市自体も認める。根拠としては、枚方のとある住人の夢枕に、アテルイが立ったことを置く。」
とあって、全くその通りなので驚きと共に大笑いしてしまいました。ところでこの文に続いて
「侵略側の傲慢さをよくあらわしている。」
とあるのに、少しうなりました。アテルイが夢枕に立った人にはそんな意識は無かったでしょうが、そりゃ傲慢ですよね勝手にアテルイの首を刎ねた場所を決めたりしたんだから。
なお読後感としては、あまりスッキリしない。SF成分が少ないからか。でも、おそらく私がオセロを全く知らないからかも知れません。近々概要だけでも追ってみたいと思います。

