
佐倉侑
@skryuh_
2025年7月3日

冬虫夏草
梨木香歩
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『家守綺譚』の続編。
前回と変わって、今回は旅。
家で共に暮らしていたゴローの姿が近頃見えない。
そんなわけで、ゴローを探す旅が始まる。
訪れる所々で、様々な目撃情報や、ゴローの善行などを聞きながら向かう先が決まっていく。訪れる村々で出会う人たちの生活を感じたり、頼み事を受けたりするうちに、少しずつ少しずつ進んでいく。
人情に訴える話があったり、自然に対する人の在り方を思ったり。
「そのときどき、生きる形状が変わっていくのは仕方がないこと。(中略)人は与えられた条件のなかで、自分の生を実現していくしかない」
今回も多くの学びがありました。
『キキョウ』からの『マツムシソウ』の、時の流れに逆らった美しい出逢いに落涙。
そして、ゴローとの再会も感涙。
はじめてのおつかいのゴールを見ているよう。
これと並行した物語が『村田エフェンディ滞土録』であり、その中で高堂が村田に言う「それはもとの神社にお帰りねがえ」の言葉を思い出して、真意を理解して笑いました。
ここまで読んでみて、まだ続きがありそうだな?という気がしてしまいますね。
サラマンドラの解決がまだありそう。