amy "夏日狂想" 2025年7月3日

amy
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@note_1581
2025年7月3日
夏日狂想
夏日狂想
窪美澄
窪美澄さんの描く女性って、なんでいつも無様で必死で愛おしんだろうなと思うんだけど、それはきっと出てくる女性が自分の意思を持って、自分で選択したという事実を揺るがないものとしているからだろうと思う 選択したことが上手くいってもいかなくても選んだのは自分、それが何より自分の尊厳を守る。モデルは長谷川泰子で中原中也と小林秀雄との関係で知られている 長谷川泰子は二人の男を弄んだ毒婦と言われることが多いが、彼女にも晩年というものがあり、ただ二人の男のあいだにいた女というわけではない。その後の彼女の人生はどんなものだったろうというのを恋愛小説の名手である窪美澄さんが血肉の通った一人の女性として描いてくれた 彼女の懊悩も喜びも、いずれもが鮮明で読んでいておもしろかったし、ラストの場面は想像したら美しくて震えた。最後の最後にああいう場面を持ってこれることの思い切りの良さがかっこいいと思った
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