
ふじこ
@245pro
2025年7月3日

爆弾犯の娘
梶原阿貴
読み終わった
映画『桐島です』の脚本家が自身の半生を綴ったエッセイ。彼女の父も爆弾犯として指名手配され、逃亡生活を送っていた。父を匿うため、少女の日々はたくさんの嘘に塗り固められていく。登下校の際は交番の前を避けて通り、ボストンバッグには大事なものを入れていつでも逃げられるようにしておく。重い話をさらっと書いているところに彼女の防衛本能が透けて見えて、胸が苦しくなる。最後、梶原さんの言葉を読んで自然と涙が流れた。幼い頃の私はこうやって抱きしめてもらいたかったのだ。今度『旅立ちの時』を見よう。

