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ふじこ
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@245pro
のろのろ読書
  • 2026年9月13日
    屁理屈と哲学
    ドパガキのための小川哲切り抜き集、とでも言ったらいいのだろうか。小川哲が言いたいことが全て詰め込まれているような気もするし、この本を読んだところで小川哲のことが何もわからないという不思議さもある。小川さんの屁理屈がとてもとても好きで、『斜め45度の処世術』と合わせてこれから何度も読む本になるんだろうなと確信しながら読み終えた。どの言葉も大好きなんだけど特に『未履修』『思考停止』『教師』がめちゃくちゃに好きです。
  • 2026年9月13日
    君のクイズ
    賞金一千万円がかかったクイズ番組において、一文字も問題文が読まれないうちに正解できたのはなぜか。知識があるということとクイズが強いということは違う。クイズプレイヤーが日々考えていること、感じていることが丸ごと頭の中に流れ込んでくる。何かを見たり聞いたりしたら、反射でそれに関するクイズを考えるようになってしまう。0文字解答の真相に近づきながら、読んでいるこちら側もクイズプレイヤーの思考へと呑み込まれていく。作品が伝えてくれる哲学が、私の人生をも肯定してくれたように感じた。YouTubeで聞ける『ママ.クリーニング小野寺よ』の歌は必聴。
  • 2026年9月9日
    七つの大罪
    七つの大罪
    七つの悪徳を七人の作家が書いた短編集。憤怒、色欲、暴食がお気に入り。特にカモシダせぶんさんの『父親は持ってるエロ本を子どもに見つからないようにしろ』は「わかるうううう」と心の中で叫びながら読み終えました。色欲がテーマなのに最後まで読むとほっこりさせられる不思議な話。若竹七海さんの『最初で最高のひとくち』も意味がわかると怖い話のような雰囲気があって非常によかったです。いろんな話が楽しめるブルボンのバラエティアソートみたいな一冊。
  • 2026年9月8日
    破婚
    破婚
    旅先で出会ったトルコ人の若者と結婚し、彼と過ごした13年間のことをまとめた手記。これを読んで、生きている間はできるだけトルコ人とは関わりたくないと思うようになった。情熱的な女が金を持ち、それを搾取しようとする人間と出会ってしまうとどうなるか。人は主観にのみ頼ると正常な判断ができなくなる。特に恋愛に対しては。エヴァの印税がほとんどトルコに流れ、どのように使われたのかもわからないという事実に諸行無常を感じた。
  • 2026年9月3日
    ルポ路上生活
    ルポ路上生活
    ライターである著者が2ヶ月間東京でホームレス生活をしてみたルポ。東京とひとくくりに言っても驚くほど地域でその実態に違いがあり、快適にホームレス生活を送れるかどうかは場所選びにかなり左右されそうという印象だった。東京のホームレスで飢え死にする人はほぼおらず、空き缶拾いも一部の限られた小屋持ちの人しかやっていないなど、イメージとの違いが大きく興味深く読み切った。弱者が弱者を食い物にしている描写が多々あり、どこの世界にも弱肉強食はあるのだとわかって何とも形容し難い気持ちになった。
  • 2026年8月17日
    男ともだち (文春文庫)
    恋人と愛人と男ともだち。29歳の神名は、不安定な自分を3人の男たちで保っている。ハセオと神名のやり取りを読みながら、私もこういう男友だちがいたかもしれないと、10年ほど前を振り返る。いい男すぎると、ずっと友だちでいたくなるんだな。たった一度の行為で壊れてしまうかもしれない関係を、恋人よりも愛人よりも大切にする。その感覚は、なんだかわかるような気がした。ハセオが男前すぎて、20代の頃の私だったら男性として沼ってしまうんだろうな。
  • 2026年8月5日
    不等辺五角形
    不等辺五角形
    避暑地の別荘で起きた殺人事件。帰国子女であり、二十年来の友人でもある5人の男女に何が起きたのか。ひとりが殺されたことによって、それぞれが見ていたものが少しずつ露わになっていく。人は自分の見たいものしか見ない生き物なんだなということをまざまざと見せつけてくるホワイダニットのミステリー。一見美しい友情に見えた5人の関係は、実はギリギリのところで保たれていたものだった。もし殺人事件が起きなかったとしても、この関係は長くは続かなかっただろうな。
  • 2026年8月4日
    そこにはいない男たちについて
    〈愛する夫を喪った女と、夫が大嫌いになった女〉読み終えて、タイトルの秀逸さに唸らされる。そこにはいない男たちについての話が淡々と続いていく。人との向き合い方は、人の数だけ存在する。夫を喪った女は、彼の不在の中に存在を感じ、前を向いて生きていくようになる。夫が大嫌いな女は、彼との関係が解消されたことで存在をありありと感じてしまうようになる。いなくなった人のことを考えてしまうことが、私にもある。いなくなったからこそ、私の中に存在するようになったのかもしれない。
  • 2026年7月10日
    真珠とダイヤモンド 下
    時はバブル。福岡の証券会社で出会った佳那と水矢子。東京に出る夢を抱える者同士仲を深めた2人は、バブル景気に呑み込まれ、運命を狂わされていく。バブルを舞台にした物語はどれも後味が悪い。それをわかって読み始めたはずだった。多すぎる金は、人の判断力をいとも簡単に奪ってしまう。あのときこうしていれば、を何度思い描いてもそれはいっときの好景気に浮かされた人間の絵空事でしかない。金のために人が生きるのではない、人のために金があるのだ。 2人の最後を見届けたあと、よかったねと声をかけたくなった。
  • 2026年7月10日
    真珠とダイヤモンド 上
  • 2026年7月10日
    本を読むのが超速い人の頭の中ってどうなってんの殺人事件
    いやあ、やられた。そういうことか。本自体が文庫よりも小さいことがちゃんとトリックにも関連していて、これはこのサイズの本じゃないとできない試み。この短さでちゃんと満足感ある白井節を堪能できる。
  • 2026年7月1日
    審美
    審美
    戦後を生き抜いた美容家・輝山菊男の壮絶な人生を描いた物語。焼け野原の中を妹と必死に生き延び、美容家の輝山千代子に拾われ、養子になってからはその才能をめきめきと表していく。人は美に固執する。美に食われて死んでいく者もいる。菊男は戦争で残った痣を完全に隠せる化粧品に拘り、母の千代子と対立する。全てを失った菊男に残ったものは、変化していく自分自身を受け入れるという彼独自の美学だった。美とは見た目だけではなく、所作や生き方そのものに表れる。私も菊男のように美しいまま駆け抜けたい。「美しくないな」と嗤われないように。
  • 2026年6月25日
    けんちゃん
    〈助けてやってますみたいな態度で接するの気持ち悪いじゃないですか〉支援学校に通うけんちゃんと彼の周りの人々を描いた連作短編集。寄宿舎近くのコンビニで勤務する光くんの言葉が鋭くてやさしい。ペプシが大好きで、新聞を書いていて、シクラメンを一生懸命育てているけんちゃん。彼が日々を全力で楽しみながら生きているのを見て、私も元気をもらう。障害があるから誤解されてしまうこともあるし、それで傷つくこともある。私たちはみんな違う。違うからこそ、お互いに理解し合うことを諦めたくない。けんちゃん、ありがとね。
  • 2026年6月22日
    多類婚姻譚
    多類婚姻譚
    この本に出会うのが10年早かったら、刺さりすぎて痛すぎて発狂していたかもしれない。特に『Position Talk』における入籍直前のふたりのやりとりが精神的にめちゃくちゃくる。どこにぶつけたらいいのかわからない痛みを、人は往々にしていちばん大事な人にぶつけてしまう。他者と完全にわかり合うことはほぼ不可能であるとわかっていても、誰かと共にいることを求めてしまう。幸せってなんだっけ。どうして結婚したいんだっけ。そんな迷宮に迷い込んでしまう連作短編集。たくさんの問いを腕いっぱいに抱えながら、私は迷宮の奥へと進んでいく。
  • 2026年6月15日
    イン・ザ・メガチャーチ
    推しへの中毒を加速させ、物語に没頭し、自分を消費し尽くす。リアリティがありすぎる物語に、吐き気を催すほどの嫌悪感を覚える。愚かだなと思うと同時に、こういうふうに生きられたら幸せなのかもとも思う。本当は存在しない"物語"というものに踊らされて、それを生きている実感だと勘違いする。これを"物語"に溺れる人間が読んで、どう感じるのだろうと純粋に興味が湧いた。自分を直視したくない人にブッ刺さる劇薬小説。他人に自分の人生を預けて生きるのって、楽なんだよね。
  • 2026年6月11日
    斜め45度の処世術
    めっちゃくちゃに面白かった。レジの人に意思を奪われたくなくて月見バーガーを注文しなかったり、脳内を悟られたくないからカレーの材料にフェイクのブロッコリーを加えたり、SF作家による共感できない話のオンパレード。特に巻末の「感謝人狼」が最高すぎて声を出して笑ってしまった。すっかり小川さんのファンになってしまったので、ちゃんと小説も読みます。SFだからって食わず嫌いしてしまってごめんなさい。エッセイも書き続けてくれるととても嬉しいです。
  • 2026年6月9日
    あの子が火山で待っている
    前作『這々の体で、愛について』を読んですっかりファンになってしまった中島とう子さんの新刊。怒りとはどこから生まれるものなのか。自分の攻撃性に対して、私はここまで客観視することができているのだろうか。とう子さんの日記を読めば読むほど、この人の愛がどこかに消えてしまわないように、抱きしめたくなる。幸せにたどり着くまでに、人よりもたくさんの時間がかかってしまう人がいる。私も、とう子さんも、きっとそう。生きていて大丈夫。とう子さんの文章にそう言ってもらえた気がして、胸の奥がほかほかしている。
  • 2026年6月7日
    言語化するための小説思考
    直木賞作家・小川哲さんによる小説とは何かを突き詰めた一冊。小説法の違い、情報を出す順番の重要性、コミュニケーションとしての小説、小説の見つけ方。どの章も抜群に読みやすくて、めちゃくちゃに面白い。小説を書きたい人のためだけではなく、人と人がどうコミュニケーションして生きていくかという本質に限りなく近づくための本になっている。自分のための文章は独りよがりで、誰にも伝わらない。これから文章を書く上で何度も読み返していく本になるだろう。巻末の短編小説『エデンの東』も皮肉が効いていて最高。
  • 2026年5月31日
    感情労働の未来
    ものすごくいい本だった。私は普段、感情をフルに使っているつもりで使えていない。SNSが広く普及し、人の感情を自分の感情と勘違いし、自分の本当の感情が何なのかわからなくなってしまっている。万人がAIを使うようになった今、私たち人間にできることは何なのか。わかりやすい刺激に反応するのは簡単だが、私たちはそれに飛びつくことで何を失ってきたのか。SNSやAIに頼らず、自分の感覚のみで感情を出せるようになりたい。人間としての原点に還るという観点で、とても素晴らしい一冊だった。
  • 2026年5月31日
    這々の体で、愛について
    恋人と別れ、自分と向き合いながら書かれた一年二ヶ月分の日記。傷ついたことを認めるのは、苦しい。でも、傷ついたことから目を逸らすのは簡単で、それをしないとう子さんは、すごくカッコよくて素敵な女性だなと感じた。カウンセリングの内容を書いた文章が衝撃で、私も孤独を感じたときにこれをやってみたら安心できることがあるのかも、と思えた。お守りのようにずっと持っていたい日記。文フリでわざわざサインを書いていただいて、とても嬉しかったです。この世界で、ともに生きていきましょう。
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