
ぽぽ
@wakio
2025年7月5日

暇と退屈の倫理学
國分功一郎
読み終わった
しっかり理解するには集中力を要するため、結果的にところどころ適当に読んだ。
• 1章のパスカルの、人間は部屋にじっとしていられないから不幸になる、というのは腑に落ちた。言い得て妙。パスカル頭良い、言語化や比喩が上手い、と思った。
• 人類が定住を始めたことの影響の話はとても納得感があった。人間は遊動生活に最適化されており排泄も片付けも上手にできないのは当たり前である。よくわかる。
• ハイデッガーの考えをもとにしたまとめも基本的には納得している。環世界という概念で解像度が上がった。
• 結論の一つである、勉強(教養の獲得)により退屈を克服する、というのも自分の考えに近い。学ばないと、主体的に楽しく生きられない、とはぼんやりと思っていた。学ばないと、社会に都合の良いように生きさせられ、退屈してしまう。主体的に生きることを自分は大事にしているなと思う。
• 哲学している本をしっかり読んだのはおそらく初めて。こうやって論じていくのかーと、新鮮だった。過去の哲学者が論じた概念を引き、批判し、それに立脚して新たな概念を導入して論理的帰結を導く。学問しているなー、面倒だけど正しいアプローチ、と思った。
• 納得できないところもあった気がするけど覚えていない。
• 引用した哲学者を否定するときに、そこまで感情的に否定しなくてもいいんじゃん?と思うこともあった。
• 人間はハイデッガーの第二形式の退屈を概ね過ごしている、という本書の結論に同意する。ある意味で、大体の時間は退屈である。
• あまり考えずに生きている人、学ぶことに主体的じゃない人に薦めたいけど、そういう人は絶対通読できないと思うので、結果的には薦めない。
• 考えるのが好きな人は読めると思うけど、読みたいなら読んだら良いと思うけど、読んでも読まなくても考え方は大きく変わらないと思う。もちろん解像度は上がるので全然薦めるけど。


