あおい "テミスの剣" 2025年7月5日

テミスの剣
テミスの剣
中山七里
2025.7.5読了。 冤罪を軸に描かれていて、中弛みすることなく最後まで読み切れました。 組織が大きくなると、どうしても組織内での忖度は起きるし、出世争いや派閥争いもある。 そこで多くの人がその組織のマジョリティに迎合せざるを得なくなっていたのがリアルでした。 そういう組織で自分なりの正義を貫くのは本当に大変なことだと思うので、渡瀬の精神力と覚悟は相当なものだと感じました。 中山七里さんの作品は何冊か読んできましたが、刑事物は初めてだったので新鮮な気持ちで読みました。 個人的には高円寺静にもっと出番があったらな、と思いましたが、彼女の性質を鑑みるとあの引き際が潔いんだよな、とも思ったり。 人を正しく裁くことは人が為せることなのか、時折考えることがあります。 それを職務だから、他の人もこれくらいの対応をしているから、と割り切って考えるのは私には難しい。 呼ばれたことはありませんが、裁判員に召喚されたら自分はどう判断すればいいのだろうと思ったりもします。 自分の判断が対象者を裁く一つの基準となると考えると、この判断が正しいと言えるのかどうか迷ってしまうと思います。 結局のところ「どう生きるか」なのかもしれないです。 生き方や信念は、仕事や人間関係にも現れると思うので。 色々考えさせられる作品でした。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved