テミスの剣

テミスの剣
テミスの剣
中山七里
文藝春秋
2017年3月10日
10件の記録
  • 2025.7.5読了。 冤罪を軸に描かれていて、中弛みすることなく最後まで読み切れました。 組織が大きくなると、どうしても組織内での忖度は起きるし、出世争いや派閥争いもある。 そこで多くの人がその組織のマジョリティに迎合せざるを得なくなっていたのがリアルでした。 そういう組織で自分なりの正義を貫くのは本当に大変なことだと思うので、渡瀬の精神力と覚悟は相当なものだと感じました。 中山七里さんの作品は何冊か読んできましたが、刑事物は初めてだったので新鮮な気持ちで読みました。 個人的には高円寺静にもっと出番があったらな、と思いましたが、彼女の性質を鑑みるとあの引き際が潔いんだよな、とも思ったり。 人を正しく裁くことは人が為せることなのか、時折考えることがあります。 それを職務だから、他の人もこれくらいの対応をしているから、と割り切って考えるのは私には難しい。 呼ばれたことはありませんが、裁判員に召喚されたら自分はどう判断すればいいのだろうと思ったりもします。 自分の判断が対象者を裁く一つの基準となると考えると、この判断が正しいと言えるのかどうか迷ってしまうと思います。 結局のところ「どう生きるか」なのかもしれないです。 生き方や信念は、仕事や人間関係にも現れると思うので。 色々考えさせられる作品でした。
  • 肉
    @sa_rami030
    2025年7月5日
  • kasu.
    kasu.
    @11uyksm
    2025年6月29日
    一件の強盗殺人から始まる負の連鎖… 新米刑事の渡瀬と教育係兼パートナーの鳴海、二人で犯人逮捕の為に奮闘するも死刑判決を下された犯人は獄中で自死。そして後に浮上する冤罪疑惑。それに気付いて真実を求めようとする渡瀬に対して、隠蔽しようとする警察組織。 きっと暴力的な話が苦手な方は序盤で心折れてしまうんではないかってくらい鳴海のやり方が卑劣。 この男に対しては最初から最後まで好きになれず。でもこれがまたストーリーとしてはいいスパイス。 鳴海あって渡瀬あり。刑事として有能すぎるよ… そして隠蔽体質な警察組織。現実の世界でもこんな事が本当にあるんじゃないかと思ってしまう。 タイトルの「テミスの剣」はギリシャ神話に出てくる女神テミスから取られ、右手に力を表す剣、左手には平等を意味する秤を持ち、正義を司る。 『力』『平等』『正義』この3つの言葉が凄く重くのしかかる作品だった。 黒幕、分かっては居たけれどそう繋がってくるとは…としてやられた。結果、どんでん返しでした。 作品の締めくくりも綺麗で読了後にはため息が出るほど。とても楽しめた1冊でした。
  • マロン
    @masan
    2025年6月18日
  • 白沼
    @shironuma
    2025年5月4日
    強盗殺人事件の犯人が拘置所で自殺したが、時が経ち真犯人がいることが判明した。事件を担当した刑事である主人公の渡瀬が、冤罪に加担した悔恨の念に襲われながらも真犯人を追うミステリー。 すっっごく面白かった〜。 冤罪が主題の一つでかつ国家権力を持ってる人間の描かれ方が露悪的なので、一見すると重厚な刑事物っぽいんだけど、大筋は過去に間違いを犯して反省した主人公の渡瀬がそれを胸に刻んでまっすぐ突き進む王道物語なのでかなり読みやすい。最後までどばっと読み進めちゃった。 渡瀬は一生償い続ける人生を送るんだろうなぁ。続編もあるらしいのでそのうち読みたい。
  • 川口旭
    川口旭
    @acidattack02
    2025年5月3日
  • あお
    あお
    @okayu-oishi
    2025年4月19日
  • 日本の死刑制度や遺族感情について問う。
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