もぐもぐ羊 "みえないもの" 2025年7月5日

みえないもの
みえないもの
イリナ・グリゴレ
今日イベントに参加するので一気に最後まで読んだ。 「みえないもの」というタイトルにした理由などイリナさん本人が語ってくれて、すごく心に響く内容でもう一度はじめから読み直したくなった。 世の中で透明化されているモノやコトに対するイリナさんのまなざしは鋭くて優しいし、それを言葉にして文章を紡げるのはすごいことだと思った。 母語ではない日本語だから自由に語れることもあるという話もしていた。 独裁政権時代のルーマニアに生まれて親しい友人や家族以外には「本当の言葉」を話すことができなかったせいでルーマニア語で話すことがトラウマになっているとのこと。 でも日本語は母語ではないから多少まちがえても大丈夫と甘えられるので自由を感じるとのことだった。(「甘えられる」というのも重要な点とのこと) また日本を「植民地にする側の国」と表現していたのが印象的だった。 歴史的にそれは正しいし、私もそういう過去があったことを知っているので同意する。 文化人類学者で名前を知られることのない人たちの声を集めて研究しているイリナさんらしいスタンスだなと思った。 聞いてる側のほとんどが恐らく日本人の状況で聴衆におもねることなく事実としてこういうことを言える強さは素敵だと思った。
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