本読みたい "街とその不確かな壁" 2025年7月7日

本読みたい
@tpfish
2025年7月7日
街とその不確かな壁
『街とその不確かな壁』は、久しぶりに手にした村上春樹作品。その文体は相変わらず好みが分かれるかもしれませんが、気がつけばどんどんページをめくっていました。 作品全体を通して流れているのは、どこか静かで澄んだ空気感。不思議で、曖昧で、でもなぜか心地よい。その世界に浸っている時間があまりにも気持ちよくて、読み終えるのが少し寂しくなるような読書体験でした。 そして村上作品ではおなじみの、「ちょっとした料理とお酒」の描写も健在。今回は冷えたシャブリが登場し、まんまと飲みたくなって買ってしまいました。何気ない食事のシーンが、登場人物の静かな感情や空気をふわっと引き立ててくれるのも、春樹ワールドの魅力のひとつです。 現実と幻想のあいだをゆったりと漂いながら、「心の深い場所で何かが動く」そんな読書体験を味わえる一冊。春樹作品を久々に読みたい人にも、初めて手に取る人にもおすすめです。
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