
海
@okya0000
2025年7月19日

老いぼれを燃やせ
マーガレット・アトウッド,
鴻巣友季子
読み終わった
表題作「老いぼれを燃やせ」の主人公ウィルマは高級老人ホームで暮らし、視力は衰えて、シャルル・ボネ症候群の症状で幻覚を度々見る。社会全体では老人排除の動きが大きくなっており、老人ホームの外には「われらに出番を」「時間切れ」「老いぼれを燃やせ」と書かれたプラカードを掲げた集団が抗議活動をしている。ウィルマの一人称視点ではあるものの、自分の目で状況を知ることができないために老人ホームにいる友人たちによって抗議活動が過激になっていく様子が語られていく。これによって現場の混乱が伝わってくるようで、ひんやりとした感覚があった。弱者排除の傾向は身に覚えがありすぎる。
