老いぼれを燃やせ

18件の記録
- 海@okya00002025年7月19日読み終わった表題作「老いぼれを燃やせ」の主人公ウィルマは高級老人ホームで暮らし、視力は衰えて、シャルル・ボネ症候群の症状で幻覚を度々見る。社会全体では老人排除の動きが大きくなっており、老人ホームの外には「われらに出番を」「時間切れ」「老いぼれを燃やせ」と書かれたプラカードを掲げた集団が抗議活動をしている。ウィルマの一人称視点ではあるものの、自分の目で状況を知ることができないために老人ホームにいる友人たちによって抗議活動が過激になっていく様子が語られていく。これによって現場の混乱が伝わってくるようで、ひんやりとした感覚があった。弱者排除の傾向は身に覚えがありすぎる。
- エマ子@emma-05082025年4月30日読み終わった九つの短編のうち七篇が高齢者が主人公。 山あり谷ありの人生も終わりに近づき穏やかな老後…を送っているものはほとんどいない。 身体は衰えても、自身が受けた仕打ちは忘れず、数十年前に別れた恋人をネチネチと思い続ける。 誰しもが行き着く先がこんなにも執念めいていてるとは思いたくないけど、残り時間が少ないからこその悪あがきなのかもしれない。 「石のマットレス」はもっとやっていいぞと思いながら読んだ。