"族長の秋" 2025年7月8日

帆
@_honnomemo
2025年7月8日
族長の秋
族長の秋
ガブリエル・ガルシア=マルケス,
鼓直
沢山の人を殺して不幸にした大統領でも、人を愛する心がある。彼は突然人を殺すことも、慈悲の心を示して救うこともする。道徳観どうなってんだと思いながら読んでいたけれど、その行動の揺らぎ自体も、彼の心が葛藤に苦しんでいた証拠として読むことはできる。 彼は快楽で人を殺していたわけではなく、自分や愛する家族に危険が迫っているという想像や現実の証拠に基づいて人を殺していた。一国のトップで居続けるというのは、私たちには計り知れない恐怖があり、過剰防衛として残虐な独裁者になってしまうという点は、許さずとも理解すべきかもしれないと思った。 行動の責任は取るべきかもしれないけれど、人間として欠落品というわけでは決してない。生まれながらにして、その本質が悪人であるという人はきっといないんだろうという思いが、ますます強くなる。だから悲しい。あと100ページ。
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