
喜楽
@kiraku
2025年2月8日

金閣寺
三島由紀夫
読み終わった
再読
圧倒的青春小説。主人公の受動的態度や臆見は子どもの暗い面を的確に現しており、自分もこういう面があったと忘れていた過去を思い出させられた。
また、初めて読んだ時は、内飜足をもつ柏木は実存主義に被れた陰気な学生であまり善い印象がなかった。
ただ、再読してみると溝口や鶴川にとても優しい人間で、女性に対しても当たりの強いシーンが印象的だが、実は相談にものっている。柏木って良い奴だったのかと吃驚し、これが信頼できない語り手なのかと新しい読書体験だった。
登場人物の関係や金閣などの象徴の意味など焦点を当てて読みたい箇所ばかりであり、文章自体も流麗で何度も精読したい本だった。