
久保みのり
@kubomisan
2025年7月9日

ジブリの戦後
渡邉大輔
読み終わった
宮崎が強い漆黒の闇へと瞳を注いでいった一方、逆に、晩年になるほど、光で真っ白に飛んだような豊かな余白の画面を追求していったのが、高畑勲だった。(p.56)
冒頭のこの一文。もう燃えるように読み進めたくなっちゃった。
上の娘が必死にナウシカを観るようになって「なんで」を繰り返すものだから、改めてその背景を知りたいと思って手にとったわけだが。この本は、ジブリを通して日本文化の変遷を追った本で、しかもその時代が平成初期生まれの自分ドンピシャなもんだから、おもしろくてぐいぐい読んだ。
終盤はこう。
本書はここまで、スタジオジブリについて、これまでにない、多岐にわたるテーマから書いてきた。ジブリを総体的に描き出すことを試みた本書は、「ジブリ」というプリズムを通して眺めた映像文化史であり、メディア史であり、アニメ論になっている。(p.237)
その通りだ。ほんとうに、代えのきかない本になっていると思う。ジブリについて知ることは、戦後について知ることだと考えた編集者の兼桝さんも素晴らしい。読めてよかったです。


