
lenco
@lenco
2025年7月9日

かか
宇佐見りん
読了
大人になってこういう本を読むとわかることがひとつあって、それはこの物語がうーちゃんとうーちゃんの家のひとたちのとても個人的な話ように一見みえても、本質はまったくそうじゃないということだと思う。
物語として被せてある皮を剥がしてその下に潜む本質的なところをみれば、わたしの育った家だって勿論構造的にはこうだった。物語だけど、うーちゃんにはなんとか生き延びて欲しい。
こんなことわざわざいうの野暮だけど、母親の不幸はわたしが生まれたことにより始まってしまった、とうーちゃんが悟るところ。そんなことは絶対にない。
こういう話って本来は子供に一切責任がないんだよね。子供がそう感じるのは家族の中での化学反応みたいなもので、本当は大人がそう思ってることを子供が感じ取って、まるで「自分が考えてる」というふうに思い込む。
うーちゃんもみっくんも明子もなにも悪くないので、3人とも生き延びてほしい。