佐倉侑 "からくりからくさ" 2025年7月9日

佐倉侑
佐倉侑
@skryuh_
2025年7月9日
からくりからくさ
唐草模様のように続くひとりひとりの日常が、家々の歴史が、歴史の中の人たちの営みが、絡繰のようにはっと驚く繋がりを持って物語になる。小さなことから大きなことまで、時には海も越えて繋がっていく。全く別のものと思われていた事柄が繋がりを持つことでそこにある感情の質を変えて現れる。 草木の話、染物や織物の話をしていたかと思えば、国の話になり、国境の話になり、血生臭さもある。やはり万物に対しての知見がものすごく広くて深いのだと思い知らされる一冊。世の中に対する冒険心が凄まじいんだろうなぁと、貪欲さと感性に尊敬するばかり。物語に落とし込む技術も。 今まで知っていた言葉でも梨木さんが使うと深みが増す。黄色単色で塗られた落ち葉と、名前も知らないような黄系の色を重ねて塗られた落ち葉くらいに違う。 絡繰を楽しんでもらいたくて、抽象的な感想になってしまう。
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