
あこ
@jt-aw05246-888
2025年5月7日

カラフル
森絵都
読み終わった
借りてきた
また読みたい
✍️ クラスメイトたちともほとんど口をきかなかった。というよりも、自分はそういう人間だって思いこんでるところがあってさ。とうせ自分ははずれてる、みんなとはうまくやってけないんだって、そうやってバリアはって、みんなを遠ざけてた
p36
「それで、その期限がすぎたらぼくはどうなるの?」
プラプラは表情をひきしめていった。
「君はタイムオーバーで再挑戦に失敗。永遠に輪廻のサイクルにもどれなくなる。
つまりもう二度と生まれかわれない、ってことだ」「そしたらぼくの魂はどうなるわけ?」「君の魂は、小林真の体からぬけて消滅する」
「消滅」
「そう、シュッと」「シュッと」
107
もしかしたら私も、自分で勝手に作った型の中に真を押し込めようとしてきたのかもしれない。無意識のうちに真の手足を縛っていたのかもしれない、と。
小さい頃から、あなたは本当にマイペースで、自分だけの確固たる世界を持っていたようでした。引っこみ思案で、外に向かっていく力が弱い分、内なる世界は常に豊かに潤っているように見えました。特にお絵かきは本当に上手で、幼稚園の頃から先生方にほめられていたのよ。
139
以前、唱子にひどい言葉をあびせたことが今になってくやまれた。唱子にとって真は架空の存在なんかじゃない。この生きづらい現実をなんとか生きやすくするための、ガイドのような存在だったかもしれないのに。
昭子だけでも、ひろかだけでもない。
このたいへんな世界では、きっとだれもが同等に、傷ものなんだ。
でもあたし、もういいんだ」
251