
ちゃのき
@chanoki
2025年7月10日

PRIZE-プライズー
村山由佳
読み終わった
最高だった!小説に本気であるからこそなぜ売るために本気にならない?と書店員や編集者を詰める天羽カインの激詰め描写の解像度の高さよ…。本当に胃が痛かった。仕事に真剣だからこそ相手にも本気を求める人って多いけど、その熱量や真剣さは大事で褒められるべきことでもあるから、どれほど苛烈でも私には憎めない…。カインのこと、普通に尊敬しちゃうもん…。でも会社員の立場ではそこに完璧に応えることはできない。その一線があるということを千紘が壊れていく過程と石田との対比を通して書いてくれて、会社員の立場としては救われた気持ち 千紘は決して元から狂気的な人だったわけじゃないよね。こちらは本気なのだから、そちらも本気の仕事をしろと求められたら、自分が責任を背負わなければと思ったら、人はこうなり得ると思う。わかるよ本当に。カインが自分が書いた小説を守り、あれほど執着していた直木賞を自ら手放した途端にあれほどカインを軽んじていたのにズルズルと別れられずにいた夫とスパッと離婚できたのは良かったな…。承認や周囲の目とかよりも自分を大切にする選択ができるようになったということかなと思ったので。
