
ハム
@unia
2025年7月11日

お化け屋敷へ、ようこそ
ユキミ・オガワ,
吉田育未,
大滝瓶太
読み終わった
日本生まれ、日本育ち、日本在住であるが英語でしか作品を書かない作家による作品。しかも自分で翻訳するわけではないってその生き方に興味がそそられる。
短編集なのだけれど、シンプルに良かった。
「つらら」、「童の本懐」、「巨人の樹」が好み。
ありがちな設定の中にみえる「わたしとあなた」の関係性へのまなざしが秀逸。
〈わたしではないあなたはみな大なり小なりの差異を有しているのは当たり前で、その大きさによって呼び名を変えるのはナンセンスだ。
誰もが誰かにとっての怪異性を有している。〉
違いがどこまでならOKで、どこからがアウトなのか。本来そんなものはなくて、人が漠然と決めたものでしかない。
様々な登場キャラが個人の生き方としての在り方を体現していて、そのありのままの姿がどれも愛おしく描かれている。
障害ではなく個性というメッセージが素朴に効いているように感じられて、すごく良かった。




