お化け屋敷へ、ようこそ

7件の記録
- ハム@unia2025年7月11日読み終わった日本生まれ、日本育ち、日本在住であるが英語でしか作品を書かない作家による作品。しかも自分で翻訳するわけではないってその生き方に興味がそそられる。 短編集なのだけれど、シンプルに良かった。 「つらら」、「童の本懐」、「巨人の樹」が好み。 ありがちな設定の中にみえる「わたしとあなた」の関係性へのまなざしが秀逸。 〈わたしではないあなたはみな大なり小なりの差異を有しているのは当たり前で、その大きさによって呼び名を変えるのはナンセンスだ。 誰もが誰かにとっての怪異性を有している。〉 違いがどこまでならOKで、どこからがアウトなのか。本来そんなものはなくて、人が漠然と決めたものでしかない。 様々な登場キャラが個人の生き方としての在り方を体現していて、そのありのままの姿がどれも愛おしく描かれている。 障害ではなく個性というメッセージが素朴に効いているように感じられて、すごく良かった。
- Y_KATSUKI@k2_44162025年7月3日読み終わった日本に住み、英語で小説を発表する作者の作品集。英語からの翻訳です。不思議な読み心地。 〈真夜中過ぎ、子供たちが寝静まったころになると、肝試ししたい大人のグループがちらほら訪れるくらいに客足が減り、屋敷の妖怪たちにもおしゃべりする余裕が生まれる〉
- timothy@timreads2025年5月31日気になる楽しみ!!!!!!!! 日本で学んだ英語で執筆して、日本にいながら海外の雑誌で発表しているという憧れの作家さん、の、初邦訳短編集。英語の短編集はもっているけど翻訳版も絶対読みたい。しかも吉田育未さん訳。 幻想的でダークで、でもとてもぬくもりがあるというか、ヒトとは異なるもの(でもとても人間的)の描き方がすごくいい。中には搾取される痛みに慣れてしまったような人も多いのだけれど、短い話の中でそれぞれが自らの選択をしていくところが描かれていて、各話幕引きが投げっぱなしじゃなくてしっかり着地感のあるところも好き。(この本にどの話が収録されているのかよくわからないまま言ってます) それにしても日本のこういう文芸書の佇まいはほんとうに素敵だ……