
あぐり
@aguriiii_1123
2025年7月11日

六人の嘘つきな大学生
浅倉秋成
買った
読み終わった
心に残る一節
読書メモ
ネタバレあり
@ 自宅
小説紹介動画を投稿している方のショート動画から興味を持ち、ネットで購入。
「伏線の狙撃手が仕掛ける究極の心理戦」と書かれているだけあって、何気なく読んでいた文章が実は伏線だったということが何度もあった。
確かに就活や人間関係ってこういう一面もあるよねと思いながら読み進めた。
途中にあるインタビュー内の描写で私が感じたことですら、きっと月の裏側の一部にすぎないのだろうな、と。
クズに見えるようなその行動にも、その人なりの正義や優しさがあっての行動かもしれない。
その言葉やその行動だけを見て「あいつは悪いやつだ」「あの人はいい人だ」と決めてしまう前に、その言動に至った背景を知ることでその人の本質の一部が見えてくる。
当たり前のことのはずなのに、どうして私たちはそれを忘れて人間関係を築いてしまうのか。
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「誰もが胸に『封筒』を隠している。それを悟られないよう、うまく振舞っているだけ。」p.273
「僕らは封筒の中に隠されていた一部分を見て、勝手に失望して、あろうことか当人全体のイメージを書き換えてしまった。月の裏側に大きなクレーターがあることを知った途端に、まったく関係のなかったはずの表側に対する印象も書き換えてしまったのだ。」p.310
「一面だけを見て人を判断するほど、愚かなことはきっとないのだ。」p.311