山口慎太朗 "その街の今は" 2025年1月31日

その街の今は
その街の今は
柴崎友香
・「小説や物語の体を成さない現実 VS 小説の体に収めたい柴崎友香」という戦い→歌ちゃんと良太郎の恋物語というドメスティックになりがちなメインのストーリーラインを街の風景、時間、他者、が邪魔(邪魔という名の普通の生活)をしてくる。二人で話しているところをデカいトラックがスレスレで通ったり、犬が通ったり。この分量の小説にしては名前のついた登場人物が多すぎる。物語を物語のパッケージングに閉じさせない。 ・今が今であることを徹底的に疑う。街が重ねてきた膨大な時間という長いものの中には二日酔いという近々での歴史も含まれる。かなり曲芸めいた語り方だと思っていたけど実はオーソドックスに一定のスピードで前に進む語り方。ただ、その前に進む線が太すぎるのでそれに引っ張られて混乱して今まできちんと読めていなかった
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