
もん
@_mom_n
2025年7月11日

ネバーランドの向こう側
佐原ひかり
読み終わった
心に残る一節
@ カフェ
『スターゲイザー』の感想にも書いた覚えがあるが、佐原さんの作品を読むたびに、登場人物を魅力的に書くのが上手すぎる……!と痺れる。例に漏れず今作も最高。
物語も面白くて、読み終えてしまうのを寂しく感じつつあっという間に読んでしまった。実日子に振り回される椎名さんとサイトーくんをずっと見ていたい。登場人物みんなの幸せを祈っている。
p.14
死んだら星になる、という表現は、それなりに的を射ているのかもしれない。命がぱつん、と終わった瞬間、もちものがぜんぶさっ引かれて、あっというまに宙に引っ張り上げられる。という感傷のもと、星を見上げて、お父さん、お母さん、そこにいるの、なんて思ってみようともするけれど、ちまちまと瞬く光はだれがだれだかわからなくて逆にこわい。
p.116
痛くて情けなくて悲しくてじわりと涙が出てくる。
わたしにはもう、ゼリーのふたを開けてくれるような人もいないんだ。ひとりで生きるってそういうことなんだ。
p.186
残骸みたいな涙だ。悲しいとか苦しいとか、そういう気持ちはまったく湧いてこない。ただひたすら、もうじゅうぶんわかったから勘弁して、と音を上げたいだけ。わかったけど、わかんないから。
