
yt
@yt
2025年7月14日

私の小説
町屋良平
読み終わった
作家の日常は、登場人物的な私になることだった。
「土下座のごときパフォーマティブで切腹めいた自傷的創作」(p87)
「小説家としてデビューし芥川賞というもっとも注目を浴びる賞をうけてさえ私には社会と私という観点からの批評性が欠けていた。あまりにも無防備に個人で生きてい、それが当然で他者の社会性もぜんぶ演技でそれこそそういうフィクションなのだとおもっていた」(p120)
自分とひたすら向き合っているところが、作家の1番の特徴か。
そして読者にも向き合っている。
「「文体」は作家ごとの文章スタイルという以上に私とあなた、つまり作家と読者が共有しうる身体となって世界をともに見る」(p127)
私と世界との関係を模索する5短篇。
大江健三郎、好きなんだねえ。









