
喬林
@unnatural_67
2025年7月13日

白鯨 下
メルヴィル,
八木敏雄
読み終わった
元々有川先生の『空の中』に出てきたことでタイトルだけは知っていて、いつか読んでみたいと思ってた作品。途中で心が折れるという噂も聞いていたが無事読破した!!さぞ翻訳者の語彙力が試される原文なんだろうと思わずにはいられない比喩の山、知らない言葉、馴染みのない言い回し、芝居がかりすぎている口調、膨大な鯨知識等々、普段読まないタイプの文章でかえって面白く読めた。わからないところはサ~ッと流し読みしたし……笑 「やんぬるかな!」とかちょっと使ってみたいまである(「もうおしまいだ!」の意)。全然ギャグ調ではないのにクスッと笑ってしまう、みたいな表現が多くて、自分もこういう文章が書きたいんだよな~と思いました。冲方丁の文の面白さもこのタイプに似てるかも。翻訳者と自分の相性が良くて最後まで読めた感じは結構ある。
個人的に一番面白かったのはイシュメールとクイークェグの出会いのあたり。最後モービィ・ディックとの死闘の末刺し違えて両者死す──的な展開かと勝手に予想していたので、エイハブは食われるとかじゃなく縄が絡んで海ポチャ、船は穴あけられて爆速で撃沈、白鯨は死なずにどこかへ消える、というエンドでつい「エッこれで終わり!?」と声に出してしまった。ここまでがどえらいボリュームだっただけに、あっけない幕引きで肩透かしを食らったような気分。哀れエイハブ……ド狂い船長……。イシュメールが心の友クイークェグ用の棺桶でできた救命ブイのおかげで助かったというのはグッときました。ところで巻頭の登場人物紹介くん、イシュメール以外のキャラは全滅しますって重大なネタバレかましてきたこと許さないよ!!!!!!!!!!!



