そろんご🌈 "都市と都市" 2025年7月14日

都市と都市
都市と都市
チャイナ・ミーヴィル,
日暮雅通
重なり合う位置にある二つの都市が、作中では明かされない複雑な歴史的経緯によってお互いを見てはならず、誤って認識してしまった場合(「ブリーチ」してしまった場合)には超法規的権威である「ブリーチ」によって粛清されるというありえない世界なんだけど、すごくリアルに説得感あるものとして読ませてくれた。まあ現実的に考えるとどんなに絶対的な権威があろうとも到底維持することは不可能だと思うけど…。 異世界SFとして面白かったんだけど、現実世界の状況(具体的にはイスラエルによるパレスチナ弾圧とか)をどうしても連想してしまってちょっとまともには読めなかったし、政治的アレゴリーとして捉えられることを嫌う作者の意図も分かるものの結構つらい。ラストの展開も結構ありきたりというか既定路線だった。
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