
夏野
@tsumu_books
2025年7月14日

生殖記
朝井リョウ
読み終わった
なんだ、これは。
久しぶりに変な本を読んでしまった。褒めてます。
おったまげフェスティバルが開催されちゃうのはこっちだよ!
多様化する社会のなかで、特権階級にあることに気づかない人たち。気づかないことに気づいていて、自分わかってるからさ!ヅラしてる人になっていやしないか、空恐ろしくなる。コミカルな語り口だけれど、これ痛烈に皮肉だよね全編。
でも彼が最後、これまた斜め上をいく方向でじぶんにとってしっくりくる、共同体との付き合い方と幸福を見つけるところは、なんとも言えず晴れやかだ。それから、最後に機能が膨張しているのかもしれない「私」。なんか、すっごい晴れやかだけど確実に終わりに向かって爆走していくような、そんな怖さがある。張りついた笑顔で、快晴の青空の中足どり軽くおしまいに向かっていくような。

