佐々木朱鷺 "文庫版 魍魎の匣" 2025年7月15日

文庫版 魍魎の匣
今年の二月あたりに読んだ。 姑獲鳥よりトリックが複雑化し、キャラクターの動きも大きくなってかなりエンタメ性が出てきた。榎木津が姑獲鳥より変人になっているし、逆に関口はどんどん大人しくなっていく。 視点がころころ変わり、その人間にしか持ち得ない記憶をどんどん当て嵌めてゆき、最後にパズルが完成するのが美しい手際。 やはり京極夏彦作品はラストが素晴らしいな。姑獲鳥の前向きな終わり方も大好きだったが、こちらは哀愁を感じる。言いたいことを全て詰めたラスト一行が強烈に刺さった。
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