はるのひ "断片的なものの社会学" 2025年7月14日

断片的なものの社会学
不思議な本だなと読み始めて、岸先生のまっすぐな力強い言葉にちょっと泣いてしまったり、いろんなことに思いを馳せながら読み進めて、読み終わる頃には抱きしめたくなるような本だった。 大切なこと、自分の記憶や思いとも重なることがたくさん書かれていて、10年前に書かれた本だけど偶然出会えて手に取れて読めてよかった1冊。 社会で生きる上で他者への想像力というものは大切だけど、自分のちっぽけな想像力では絶対的に足りないから、やっぱり"相手"を知ること/知ろうとすること(自分本位にではなく正しい距離感で)が大切なのだと改めて思う。 自分とは違う他者を本当の意味で"知る"ことなんてできないのでは?という思いもありつつ、それでも。あとがきの言葉も噛み締める。 本書の中で何度も"どうしたらいいかわからない"と途方に暮れながら、誠実に祈るように言葉を重ねる岸先生にとても励まされる思いがした。 『物語の外から』 『笑いと自由』 『手のひらのスイッチ』 『普通であることへの意志』 『自分を差し出す』 『海の向こうから』 の章が特に好き。 『海の向こうから』の中で触れられている「空飛び猫」シリーズの1冊も読んでみたいな。
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