草大福 "アリーチェと魔法の書" 2025年7月15日

草大福
草大福
@yadokari15
2025年7月15日
アリーチェと魔法の書
アリーチェと魔法の書
松井あやか,
長谷川まりる
児童文学ファンタジーを、久しぶりに読んでみようと手に取った。 主人公アリーチェは本屋の娘。本屋の奥にはこの世に1冊しかない魔法の書があり、それに触れることができるのは本の守り手と、その本を読むために訪れる魔法使いたちだけ。 13歳になったアリーチェは、おばあちゃんから守り手の仕事を引き継ぎ、本の管理に携わるようになった。 この本は魔法使い以外には白紙に見える。魔法使いには読めるが、それも自分が使える魔法の部分のみ。本の内容を人に伝えようとすることもできないようになっている。本は中身を人と共有することができないような「呪い」がかけられている。 この話には対立する人々がたくさん出てくる。魔法が使える魔法族と、使えない非魔法族。守り手の仕事に誇りを持っているおばあちゃんと、それを嫌がっている主人公の母。魔法族同士も一枚岩とは言えない。そして魔法族と守り手。魔法使いは表面上守り手ににこやかだが、決して信用してはならないと、主人公アリーチェは、幼い頃から家族に言い聞かせられている。守り手側も特定の魔法使いと仲良くするのは御法度とされている。本を読むことで得られる利益を、偏らせているという疑いが生じるからだ。 設定が複雑で(私にとって)、途中でよくわからなくなってしまった場面もあったけど、最後は丸くおさまってよかったな、という感想。やっぱり子供の頃のようにファンタジーの世界に純粋にワクワクしながら本を読むのはもう難しいのかしらなどと思ったりした。でも錬金術師の車内はとってもワクワクしたな。
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