
時雨崎
@rainstormbook99
2025年7月16日

エーコ『薔薇の名前』
図師宣忠
読み終わった
過ぎにし薔薇はただ名前のみ、虚しきその名が今は残れり
これが…唯名論と実在論を表しているなんて解説されないと分からない。ていうか解説されても難しい。
主人公は唯名論支持者、「オッカムの剃刀」で有名なオッカムがモデルというのも解説されて初めて理解した。アベラール曰く「薔薇は存在しない」。めちゃくちゃ普遍論争の知識が必要だった。
「チ。」の時代・文化背景が知りたい→「薔薇の名前」が良いらしい→宗教的なことが分からない、解説が欲しくて本屋に行く。
そんなこんなで良書に出会えた。
内容は3部構成で中世という時代背景や舞台から読み解く物語、宗教から読み解く物語、そして書物、知識、異端という物語上で鍵となるものが如何なる文脈で捉えられるものであるのか丁寧に解説。親切だけど難しい。根気が要る。
中世とは?信仰と理性とは?普遍論争とは?修道院において重んじられるべき知とは?書物はどのように扱われた?異端審問とは?
解説が!丁寧!情報量が多い!
