鳥澤光 "帰れない探偵" 2025年7月20日

鳥澤光
鳥澤光
@hikari413
2025年7月20日
帰れない探偵
帰れない探偵
柴崎友香
「小説が世界と繋がっている」と感じることはこれまでもあったけど、この作品のように「世界が小説に流れこんでくる」と感じたことはあったかな? 多和田葉子の、特に『地球にちりばめられて』三部作を思いながら読んでいたけど、途中に挟んだ赤染晶子『乙女の密告』のなかの『アンネ・フランクの日記』にも響き合う、国や地域や名前や居る場所の話。 トリュフォーやデイヴィッド・リンチをはじめ映画やドラマで描かれた場面へのオマージュがちりばめられていそうな、ふかふかのイメージのクッションに寝そべるような心地よい楽しさがあって、世界の今と未来があって、なんとすごいものを読んでしまったんだろう……!! 《世界の表面がぺりぺりとめくれて、まったくおなじなのに、すべてが光り輝いた。眩しくて、耳の奥、頭蓋骨の中が、痛かった。/これはなに?》P46
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