
はなつめ
@hanatsume
2025年7月17日

グロテスク(上)
桐野夏生
読み終わった
タイトルは知っていたものの、読んだことのなかった作品。
一貫として一人称で語られる、昔話。現在のことは「人が二人死んだ」、詳しく言うなら「語り手の旧友と妹が殺された」という事実しか判明していない。ひたすらに、語り手の主観で生まれてから学生生活までが、さも事実かのように語られる。重大な情報は、ほんの少しずつしか提示されない。だのに飽きがくることはなく、すらすらと読み進められる。これが文章力というものなのか、と驚嘆。
それから、知らない言葉がいくつか出てきて勉強になった。はじめの方にそれらが出てきたので、もしや読むのに難航するか、と思ったが、杞憂だった。言葉の使い方が上手い。
下巻も楽しみ。

