グロテスク(上)

35件の記録
- はなつめ@hanatsume2025年7月17日読み終わったタイトルは知っていたものの、読んだことのなかった作品。 一貫として一人称で語られる、昔話。現在のことは「人が二人死んだ」、詳しく言うなら「語り手の旧友と妹が殺された」という事実しか判明していない。ひたすらに、語り手の主観で生まれてから学生生活までが、さも事実かのように語られる。重大な情報は、ほんの少しずつしか提示されない。だのに飽きがくることはなく、すらすらと読み進められる。これが文章力というものなのか、と驚嘆。 それから、知らない言葉がいくつか出てきて勉強になった。はじめの方にそれらが出てきたので、もしや読むのに難航するか、と思ったが、杞憂だった。言葉の使い方が上手い。 下巻も楽しみ。
- Hoshiduru@lilimoe2025年4月3日読んでる多くの人にとっては違うのかもしれないが、私の通っていた女子校の雰囲気は本当にこれに近くて、描かれることへの謎の安心感と、当時の閉塞感を思い出してきつくなる気持ちとが交互に出てくる
- 離乳食@munimuni2025年3月14日「わたしは男の人を見るたびに、この人と私が子供を作ったら、いったいどんな子供が生まれてくるのだろう、とつい想像してしまいます。」という始めの一行がすさまじいし、そこからルッキズムルッキズムルッキズム……個人的にユリコの独白である「生まれついての娼婦」がよかった、肉体の血が外に出ることよりはるかにグロテスクな人間の心理でした、あと桐野夏生さんの文章ってすごく読むのがやめられないですね止まらないですねかっぱえびせん