
akamatie
@matie
2025年7月17日

村に火をつけ,白痴になれ
栗原康
読み終わった
COTEN RADIOや他の本と重複する内容も多かったけど、軽快な文体(恋愛や性の捉え方はだいぶ軽率)で楽しく読めた。
女性の地位が確立していなかった明治大正時代に、女はこうあるべきという性・家事・仕事の枠を疑い、ぶち壊して我が道を行った伊藤野枝。その悩みは、自由恋愛が当たり前になり男女雇用機会均等法がある今でも、パートナーとの考え方のすれ違いや家庭内の負担、仕事との両立の難しさの部分などですごく共感できる。
自由恋愛で射止めたものの、家事も育児も放棄した辻潤。思想的に共鳴しあった大杉栄との暮らしでも、結局生活の負担は野枝にのしかかる。社会の思想だけでなく、自分自身の中の固定観念に気づき、行動に移していく姿が印象的だった。
奔放さと図太さを武器に突き進んだ彼女の生き方を通して、もっと自分の心に向き合ってわがままに生きていいと勇気をもらえる。
定期的に伊藤野枝の本を読もう。

