
ryoya
@ryoya0707
2025年7月18日

ここは安心安全な場所
植本一子
読み終わった
最後の寄稿文が、本全体を貫くような、包み込むような文章だった。これがあるのと無いのでは全然違う。
この本は「名前」についての話だったと総括する。名前のつけられた人は(ここでは馬の話を例に出す)、その役割の中で生きることを強いられ、また役割によって他者から理解される。しかし、役割(名前)を取り払ったとりにむき出しの生がそこにある。それを見つめましょうという提案だと思う。
文中では「名付けること、評価することは人間の癖だ。業と言ってもいいかもしれない」とある。そして、宮沢賢治はそれを含めて「修羅」と言ったのではないかと。
無名であることは頼りない。けれど、無名であるとき、初めて人は自分の「全て」で生きれるのかもしれない。

