
Yukinoue
@screamoon
2024年8月29日

信仰
村田沙耶香
どれも設定が、こうきたか〜!となるような、でも、今わたしが生きてる世界とゆるやかな地続きになってるような世界がひろがっている。
その人がそのまま、何も取り繕わなくても、認められて、愛が愛として伝わり、愛を愛として受け止められる、それがどうしてこんなに難しいのか、上手くできないような気がするのか、がなんとなく分かりそうな感じがする。
どの短編集もそれぞれの形で均一に、なんか良かったな、が残った。信仰は、痒いところに届いた、ような感じや、ぎょっとするようなところが良かったし、生存は、これまるで現代のようだったし、カルチャーショックはまるで映画を見てるかのよう、得体の知れない感じが良かったし、書かなかった小説はクローンと人間がいれかわっている様子や面白いとこわいが入れ混じったりしたし、最後の展覧会はなんだか美して上手くできてるなぁと思った。でも選ぶとしたら、土脉潤起かな。野生と人工がどことなく対比されながらも、私たちは動物なんだ、とおもう。姉は野生になるんじゃなくて、かえったんだ。なんともいえない気持ちになったのがよかった。土とか自然の匂いがしそうな小説がすき。ぽう。

