

Yukinoue
@screamoon
- 2025年7月20日ババヤガの夜王谷晶読み終わった
- 2025年7月16日パリの砂漠、東京の蜃気楼金原ひとみ読み終わった
- 2025年7月9日YABUNONAKA-ヤブノナカー金原ひとみ読み終わった
- 2024年8月29日信仰村田沙耶香どれも設定が、こうきたか〜!となるような、でも、今わたしが生きてる世界とゆるやかな地続きになってるような世界がひろがっている。 その人がそのまま、何も取り繕わなくても、認められて、愛が愛として伝わり、愛を愛として受け止められる、それがどうしてこんなに難しいのか、上手くできないような気がするのか、がなんとなく分かりそうな感じがする。 どの短編集もそれぞれの形で均一に、なんか良かったな、が残った。信仰は、痒いところに届いた、ような感じや、ぎょっとするようなところが良かったし、生存は、これまるで現代のようだったし、カルチャーショックはまるで映画を見てるかのよう、得体の知れない感じが良かったし、書かなかった小説はクローンと人間がいれかわっている様子や面白いとこわいが入れ混じったりしたし、最後の展覧会はなんだか美して上手くできてるなぁと思った。でも選ぶとしたら、土脉潤起かな。野生と人工がどことなく対比されながらも、私たちは動物なんだ、とおもう。姉は野生になるんじゃなくて、かえったんだ。なんともいえない気持ちになったのがよかった。土とか自然の匂いがしそうな小説がすき。ぽう。
- 2024年8月19日台湾生まれ 日本語育ち温又柔電子図書で。 行きの通勤電車は目を閉じて寝る、それ以外は難しい。図書館の電子図書で折角借りたのだから…疲れたらいつも通り寝ればいいのだしと、スマホ片手に開いてみたけど、この本を読んでいると、目も心も開いたり閉じたりを繰り返して、ずっと目まぐるしくて、何だか寝ることができなかった。途中からずっと泣きたかった。色んな気持ちをヤドカリみたいにおぶって行ったり(帰ったり)帰ったり(行ったり)してた。 ずっと気づかなかったけれど、小さい頃、母や祖母を悲しくさせたり可笑しくさせたり戸惑わせたり怒らせたり心配させたりした、わたしのひとつひとつの根底に、日本人っぽくありたい、があったような気がするとこの本は気づかせてくれた。紙の上で戸惑うことはなかったけれど、外国人に見えない外国人のわたしは、ほとんど誰も私を外国人と知らない場所を何個も何個も作ろうとしてた。矛先が私に向かうことはなかったけれど、どこの国でも起こりうることだけれど、同じ国籍をもたない人に刃を剥く瞬間を隣で何度もみた。いつもギリギリのところにいる気がした、よく分からないけれど。 だからこの本を読んだ時に、境遇は違うところが多くても、それでも、何だか知っている響きや知る可能性があった響きに、何度も泣きそうになった。覚えておきたい作家もたくさん教えてくれた。この本を読んで、きっとどんな物語でも、声でも、伝えていけば、水面を覗けば誰かが向こうからのぞいてるんだろうなと思った。
- 2024年8月4日三拍子の娘1町田メロメ22話に辿り着くまでは、思ったよりハマってない?となっていたのですが、それもこれも夏休み前の迫り来る忙しい1週間を前に、最後の晩餐のような日曜日の夜で、心がざわざわしていたからかも。ただ、22話でとらちゃんの繁忙期をみて、私は泣きそうになったのです。みんなそうだよね。心を獣にして働く日々があるよね。でも、やれば終わる、かならず終わると戦士のようなページを読んで、仕事で心が怯みそうなときはここに戻ってきていいかい?となりました。そして、23話は、Freire Euch does Lebensを聴きながら、とくと楽しむのです!
- 2023年12月12日ひみつのしつもん岸本佐知子旅先の香川県の駅中の本屋さんで、何かしらの力が働いてとって、迷い込んだキシモトワールド。前々から、ねにもつタイプ、なんらかの事情と、読んでみたかったのだけど、その本の著者が岸本佐知子さんであることと、数々の海外文学の翻訳をされてる岸本佐知子さんであること、全てが何一つ繋がってなかったので、驚いた。秘密の質問の岸本佐知子は、あの岸本佐知子さんだったんだ。 そしてそんな岸本佐知子さんの頭の中を垣間見えたかのような気がする、短編集のようなエッセイでした。特に好きだったのは、新しいツボ、海賊の夢、サークルK、ひぎる、友、会員、羊羹、たき火、夏、赤いリボン。 不穏な切ない、なんか思い出せそうな、得体の知れない、見て見ぬふりして、忘れたふりした何かが、ぽおっと見えそうになる、感じそうになる、雰囲気がそこにあるストーリーたちがとても好きだった。今日はほんとにジャックだったけど、なんやかんや、この時間になるともうだめ、あたしねもい、なんてこともきっといつか、こんなこと書いたことを私は覚えていない、キシモトサチコワールドにつれていかれ、訳のわからない言葉を教えられたのを。となるんでしょうか。 あ、そうそう、これがエッセイのようなものだとしたら、筆者は外にあまり出ていかず、色んなものに好まれない人として自分を描いて呟いているけれど、歯医者にいって、話が世界規模の歯センターにまでいけるなんて、本当に素晴らしい、と思った。自分が普段いかに同じような考えをして、変わり映えのしない思考回路を通っているんだろう、と反省。
- 2021年4月1日羊と鋼の森宮下奈都読んですぐに宮下奈都さんの奏でる音に引き込まれた。何だかとても涼しい森の中にいるような感覚。 多分私は外村みたいに森にいる。そして私も板鳥さんに「どうこつこつするのが正しいんでしょう」と、彼と共に尋ねている。 外村のいう「山と町。都会と田舎。大きい小さい。価値とは何の関係もない基準にいつのまにか囚われていた」に頷く。 確かに外村は調律の森にいる。 でも彼を見てて私が思うのは最近私がお気に入りのあの言葉だ。 “Not all those who wander are lost” 外村も森を彷徨っているけれど、道を失ってはいない。むしろ見つけている。切り拓いている。 この本の中にいくつか心にささる言葉、大切にしていきたいと思う言葉があって、読み終わった後誰かとシェアしたくなるなあと思うのでした。
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